何も考えたくなくて散歩に出掛けた
早朝のことだ
昨日の晩からずっと眠れなくて貴方のことが頭から離れなかった
少しでもいい
貴方のことを考えたくなかった
どうせ辛いだけだもの
だから外に出た
朝日が目にまぶしかった
まだ人はまばらな朝の街を歩いた
歩くことに集中しようとした
でも気付けば貴方を想い出していた
泣きたい気持ちを必死で堪えていた

家に帰ってきて貴方に電話した
虚しい電子音が返ってきた
まだ寝ているのか携帯は繋がらなかった
それでもねばってようやく捕まえた
この電話には意味があった
「もう貴方の影は追わない」と嘘をつくつもりだった
嫌われてしまう前に
わたしが否定される前に
気持ちを遮られる前に
根付いて枯れないこの想いを自らの手で手折ろうとした
でも失敗に終わった
まだココロの奥底で疼く気持ちを知られてしまった
「忘れて!」
そう言ったけど遅かった
また貴方を苦しめてしまった
そしてまたわたしは否定されてしまうのだろう
わたしの想いも無駄になるだろう
わたしの存在自身が迷惑でしかないのだろう
それならば椿のように綺麗なまま
堕ちてしまいたい
もう消えたい

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