First...

2003年7月6日 Love Impacts
五月の終わり
静かに時はでも確かに進んでいく

君に伝えたいことはたくさんある
でもわたしはどうしようもなく不器用で
伝えたいことの半分もきっと言えないから
わたしの歌声を聞いて貰おうと思った
わたしが出来る唯一の方法だった
毎度携帯のディスプレイを見ては溜め息
でも決心をして心を決めて君への番号を送った
そしたら君は「今なら逢えるかな?」と言った
えっ!?て耳を疑った
だってそうでしょう
今まで逢えない逢えないとずっと言い続けていた君のそんな言葉
嬉しいって感情より何でって疑問の方が勝っていた
でも逢いたかった
だから逢おうとした
そしたら今すぐって事になっていた
時計を見れば8:00P.M.
門限11:00のわたしにとってはこの時間に外に出るのは冒険だった
でも逢いたい、その一心で彼の地元まで行った
電車が各駅停車なのがもどかしかった
改札を出て君の姿を探すとこっちへ歩いてくる君を見つけた
久しぶりに逢う君は変わって無くてドキドキした
ちょっと歩いたところでご飯を食べた
そして判った
何で逢おうなんて言ったのかが
彼女と上手くいっていないらしい
彼女とは職場が違っていて
彼女と同じ職場の上司を彼女がちょっと気になっているらしい
その上司、自分と似てるんだってさ
だから意気消沈しちゃってて…
しかしこの彼女も何かなぁ〜
「その人も気になるんだけどまだ好き?」って言ってきたらしい
ここまで言えれば立派なものなのだろうか
しかしこっちにしてみれば知るか!って感じだった
彼女出来たこと割り切るの大変だったんだから
でもあくまで友達として意見を言った
「彼女はまたあんたの彼女なんでしょ!」
「別れ話出てないんでしょう?」
「まだ彼女はあんたが好きなんでしょうが!」
「あんたとその上司とは違うんだから!」
わたしも何でこんなフォローしてるんだろう?
馬鹿みたいだけど君の悲しそうな顔見てるの嫌だったのよ
例え自分の元に来なくても君には幸せになって欲しかったのよ
自分は貪欲になれなくても君には貪欲に生きて欲しかったのよ
自分は悲しくても君だけはずっと笑っていて欲しかったのよ
思いこみでしかないけど君の幸せはわたしの幸せだからと…
気付くと励ましてる自分がいた
自分には一の利もないのに
ただ君が悲しい顔をしているのが悲しかった
食事を終え外に出て来た道を戻る
途中で以前一度だけ来たことのある音楽ホールの話をしたら
「行ってみる?」と聞いてくれたので行くことにした
既に時計は11:00を刻んでいた
でもまだ一緒にいたかった
少しくらいいいやと思った
心の中で親に謝った
勿論夜だしホールは当然閉まっていた
君はホールの横の石段を上りながら
「ココで成人式やったんだよ」と言った
広い石段にはお花がいろいろディスプレイされていて
それがライトに照らされて綺麗だった
石段を登りきったところに湖みたいな所に出た
そこをゆっくり歩きながら端の方へ行くと
水が滝のように流れ落ちるところがあった
思わず「デートスポットみたい」って言っちゃったよ
それくらいロマンチックだったから
そしたらよく女の人をココへ連れてくるらしい
これが君のやり方なのね(^-^;)まぁいいけどさ
湖の所にも一組カップルいたしね
水の流れをじっと見つめていた
「何かこういうのボーっと見てるの好きなんだよね」
そう言って緊張してるのを隠した
そこにどれくらいいたのだろう
すごく長いような、でもとっても短かったような
自分では予想もつかなかった幸せな時間が過ぎていった
そしたら君がわたしの肩を抱いてきた!
えぇ!何で!?
もう頭の中はパニック!
君の方を向いてニコッとする事しかできないわたし
もう何なのぉ〜?
肩に置いてある手が腰に降りてくる
あぁ、おなか太ってるのにぃ
そんな事はお構いなしに君の手は肩と腰を行ったり来たりする
何がどうなってるのかこの時もうさっぱり判らなかった
ただただ時間の波に乗るしかない自分
どうも出来ず固まったままのわたし
何度も君の方を見るけど何も言えず強張った笑顔作るだけで精一杯
そんな事を繰り返しているとふっと君の顔が近付いた
わたしはそっと目を閉じてその時を待った

コメント